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執筆者の写真Yamazaki Yutaka

フリース糊の研究会

フリース壁紙の施工については、疑問な点や難しい点が多々あります。

何しろ、伸び縮みがないということで、出隅入隅の巻き方も難しい。

糊厚の調整やジョイントの納め方。

そもそも、本来のフリース施工方法としては、向こう糊が主流とか・・

そもそもと言えば、フリースって何ぞや?

って事で、疑問は早めに解消。

群馬県にある、ウォールボンド工業の本丸へ行って参りました。

先日、フリースの現場に一緒に入った、

東京内装仕上技能士会の仲間と一緒に。


ウォールボンドからフリース壁紙施工用として

販売されているのがFウォール。

前回、施工した際には糊厚調整+不安な箇所にはシーラー塗布で収めました。

糊付け機械の糊量の目盛りで言うと、「2」。

その機械によって多少の誤差はあるでしょうが、

大体そんな感じ。

通常のクロスは1~1.5・・・ぐらいでしょうか。

今回、ウォールボンドさんにお邪魔して、検証してみたのが糊量1~3のケース。

それから、Fウォールに僅かに何かを足した物。

他社さんのフリース糊とも張り比べてみました。


外国製の粉糊とかも。

接着力だけで言うなら、Fウォール以上の物もありますが、

本来の目的は、あくまで剥せる事。

くっつきゃ良いってもんでもない。

なので検証すると言っても、難しいですね。

糊屋さんが、くっつかない糊を一生懸命作ろうとしてるってのも、何だか笑えますが・・・


フリース壁紙も、それぞれで、全てが同じようにはならない。

不織布の出来が様々で、この壁紙ならこの糊で大丈夫だけど、

この壁紙だと剥がれないとか。

どの壁紙を対象に、基準値を作るかで、その糊の接着力も決まってしまう。

実際、壁と天井ではかなり具合が違うし、また天井にしても一人で張るのと二人いるのとでは全く違ってきます。


感触としては、平面の壁なら、いつもの糊厚「1~1.5」で十分。

ジョイントも難なく収まります。

逆に糊厚上げると、エアー抜きするのも硬い撫ぜ刷毛を使うと、糊が動いちゃって具合悪い。


ただし、障害物があって煽りを入れると、かなり糊を取られて接着力が激減。

メーカーさんとして、ここら辺の推奨する糊厚だの施工方法が示される事と思います。


向こう糊の場合、砂骨ローラーで壁にベタベタ塗るんですが、これも糊によって跳ね返りが違う。




思いっきり跳ね返って、手から腕から、しゃがんだ体勢だとズボンまでベタベタになるのもあるし、

ほとんど跳ね返りの無いのもある。


更には、際の部分まで丁寧に糊を塗らないと意味ないから、結構細かい作業になります。



そんな事まで、色々検証してみると、メーカーさんに対して「もっとこうして、ああしてっ!」

って注文つけたくなります。

何しろメーカーさんの、開発中の事なので、写真を撮って良いのか悪いのか・・

ここで書いて良いのか悪いのか・・


なので自分が写った写真もないし、核心に触れられない事が沢山ありますが、

取り敢えず雰囲気だけお伝えしておきます。

今回、ウォールボンド工業さんにお邪魔して、このフリース糊以外の事でも

色々と勉強させて頂きました。 ホント。 感謝、感謝・・です。

でも、こうして現場の職人の声を聞いてもらえる。

それを商品開発に役立てようとしてくれる。ってのは、我々職人にとっては最高に嬉しいですよね。


先日発売されたウォールボンド100R。

現在、当社ではクロス施工に関しては、この糊に切り替えてますが、この糊も従来のウォールボンド100の改良型として、2年以上の歳月を費やして完成させた物です。

この時にも、色んなクロス屋さんの意見を取り入れて、何度も何度も検証を繰り返し、ようやく辿り着いた新商品。


各社、開発の方が大変な苦労して、色んな糊が販売されてます。 


我々、現場の職人も、その糊の性能・性質を正しく理解して、

正しく施工して、奇麗に仕上げていきたいですね。


そう言えば、ウォールボンドの市川さんが言ってたな。

「我々は職人さんに糊を売ってが終わりじゃない。

クロス張って、お客さんの物になって初めて完了する」 


そう。 お客さんに喜んで頂いて、糊屋もクロス屋も、初めて仕事が完了するんですね。


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有限会社ヤマザキ美装まで!

東京都足立区元木南町20-9

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